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にのだん社会保険労務士事務所だより「たすき」令和7年5月号(No.66)
【①急上昇した米の価格】
ここ数年で食料品の価格上昇の影響を受け、家計の中でのエンゲル係数は上昇し続けていたのに加えて、昨年夏以降からは主食である米の値段も一気に上がり続け、ますます家計の中での食費負担率はアップし、かなり生活が苦しいというのが本音であります。
若い頃にスーパーで勤務していた時、米の販売価格に対する仕入れ原価は結構高く、売価-仕入れ原価÷売価×100=値入率については低かったので、現在の販売価格も決してスーパーではほとんど儲けがなく、1年前では考えられないくらい異常な価格で仕入れざるを得ないのだろうと想像できます。
前は、米を購入する際、銘柄を見ながら、かつ価格が比較的安いものを選んでいましたが、今はとにかく店で販売している一番安いものしか買えないのが現実であります。選択する商品の中に、これから外国から輸入された米の種類が増えるのであれば、外国産の米の購入も考慮しなければならないと感じています。
今まで、家族みんなで食事する際に一回当たり米の価格がいくらぐらいになるかなんて計算したことはありませんでしたが、最近は真剣に考えるようになりました。米5キログラムで考えたとき、ネットの回答では約33.3合とのことで、少なくても夜に4人家族でご飯を食べる時は3合は消費します。となると5キログラムの米で約11回分、1袋税込4,400円で計算すると1回あたりのご飯の費用は、400円となり、1年前なら購入する5キログラムの米が高くても税込2,000円もしなかったので、1回あたりで220円近く上昇したことになります。これにおかずを加えると合計の食事代は1,000円を超える日も当然発生します。
ちなみに、米ではなく献立をパスタにした場合、我が家で購入する価格帯であれば具やソース代も含めてトータル800円ぐらいになるので、米を食べない献立が増えてしまうのは現状仕方ないと感じます。数字を日頃から管理することは仕事においても求められますが、今回のような計算はやはり気持ちが滅入ってしまいます。
【②新入社員がすぐに辞めてしまう問題】
4月に入り、ニュースでは「新入社員が入社初日で退職した」また新入社員ではありませんが「退職代行業者で働いている人が退職代行を利用して退職した」など退職に関する話題が面白おかしく取り上げられています。
新入社員が入って間もなく1か月、自身のことも振り返ると退職を考える最初の壁は5月であったことを今でも思い出します。
学校を卒業して最初の就職先が食品スーパーでしたが、働き始めて間もなく自分が想像していた以上に「仕事って辛いなあ」と感じるようになりました。しかししんどい中でも新しく覚えることも増え、不安の中でもやりがいを感じるようになりましたが、5月に入ると世間は大型連休に入り、私の知っている近所の人や友人が大勢で楽しそうに買い物に来るのを見ると周りの人がみんな幸せそうに見えました。
そんな中自分は当然休みがない、さらに職業差別の意図はなかったかもしれませんが「大学出たのにスーパーに入ったんやなあ」のような言葉をかけられると気持ちが落ち込むこともありました。
当時は、退職代行のようなビジネスも存在していなかったので、若い頃は何度も退職の意思を示しては説得され、また伝えては説得されを繰り返し、結局「人より早く出世してやる」という気持ちで歯を食いしばって、人より休まずとにかく働き続けた結果、店長や副店長を経験させて頂いた後、最初の会社では約8年間勤めることが出来ました。
私は、頑張りすぎて心も体も壊れてしまうくらいなら、退職代行を使ってでも仕事を辞めることに反対はしません。大事なのは自身で「この経験は無駄ではなかった」と納得出来るかどうかだと感じます。私もそのあと転職をいくつか繰り返し、その先にあったのが社会保険労務士業であり、今まで多種多様な仕事を経験してきたことは、自分にとって天職にたどり着くためのプロセスであったと今は感じます。
とはいえ、何も対策を取らずに働き始めて間もない従業員さんが次々と辞められては大変です。私が経験したようなほぼ年中無休のようなサービス業であれば、週1日か2週間に1日でも定休日を設けるだけで働く環境に変化をもたらすかもしれません。
また1か月の中で平日は閑散期、週末や棚卸の時は繁忙期と前もって勤務スケジュールの計画が可能であれば「1か月単位の変形労働時間制」を組むことで、雇う側からは残業代を抑制出来るメリットや働く側からは頑張って勤務したあとの短時間労働の日や、長期休暇など他とは違う魅力的なワークライフバランスの実現が可能かもしれません。
~最後までお読み頂きありがとうございました~